森永博志のオフィシャルサイト

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プロフィール★森永博志 (もりなが ひろし)

真に場末の芝浦高浜橋<はるみ>で、ユキリョウイチ、チャン・チェンと久しぶりに飲んだ。

チャン・チェンに3D&CGシネマ『ライフ・オブ・パイ』見た?と訊かれ、自分は感動したと、作品観を語った。

「虎は神」だという点ではチャン・チェンと意見は一致したが、自分は虎は実在し、彼は虎は主人公の心の中に存在したと言った。

いままで何作も3D&CGシネマを見てきたが、その中で『ライフ・オブ・パイ』が最高傑作だと思う。3D&CGという映画技法が神を扱った主題に溶け込んでいた。3D&CGが主題を極だたせていた。

表現とコンピュータ。

パソコンが普及する前、出版界ではいま、紙媒体VS電子媒体の賛否両論に別れた状況のように、ちょっとした論争があった。

それはCGを表現に導入していいものか、どうかという話だった。

既に音楽シーンでは80年代初頭、Y.M.O.を筆頭としたテクノが新しいムーヴメントとなって、多くのアーティストがコンピュータを使って作品を生みだし、急速に普及していったが、雑誌界ではデザイナーもイラストレーターも使用する者はいなかった。

何かしら、それはタブーのように思われていた。パソコンにたよったら、人間の表現上のスキルが見えなくなる。個性が消える。そんな風に思われていた。

だけど、自分は興味があった。

使い方次第では、それまでにない大胆で斬新なページを創れるのではないかと夢見た。

1989年、チャンスは到来した。

『エスクァイア』日本版から、毎月5Pを割いた連載の依頼がきた。編集長であった長澤潔氏との打ち合わせで、立川直樹氏との対談が決まり、立川氏が『クラブ・シャングリラ』とタイトルを考案した。「雑誌上のクラブ」というコンセプトが生まれた。

そこで誌面上にバーチャルのクラブ空間を創設し、そこで我々がM&M’、ふたりの客として語り合っているという設定にした。

構想が決定し、ヴィジュアル面を当時、CGの先駆者であった宮川一郎氏に依頼。全面的にCGを導入することになった。

このCGの効力もあって、『クラブ・シャングリラ』は極立った連載ページとなった。さらに、一般誌におけるこの試みはクリエーターに刺激を与え、以後、CGが雑誌編集でも使われていくことになった。

自分も、イラストレーションとは別にCGを積極的に使うようになり、あくまでも主題とのマッチングを前提に、雑誌のカバー、特集ページのメイン・ヴィジュアル、ツアー・パンフ等で展開していった。

それが90年代の前半だった。

なのに、自分はパソコンをまったく使えず、初めて使ったのはこのWEBの制作のとき、2010年、近所の友人から借りて、初歩的な操作を教えてもらった。

それも1年程でやめてしまい、いまは、4Sで制作している。

あっ、そうそう。

MACをデザインとアートワークに全面的に使い、2冊本も制作した。

ひとつは、このPROFILEでも紹介したノン・タイトルのディスコ本。

もう一冊は『原宿ゴールドラッシュ』の自主制作ヴィジュアル版『ROCK’A BEAT CAFE』。

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