森永博志のオフィシャルサイト

www.morinaga-hiroshi.com

プロフィール★森永博志 (もりなが ひろし)

去年の暮れにほぼ35年ぶりにC&Wシンガーの宮前ユキさんと再会し、そのとき「またいっしょに歌をつくりましょう」と話し合った。

「また」と彼女がいったのは1975年に、ぼくはデビューしたばかりの彼女のために『お前とナシュビル』という歌を書き、その歌が彼女の代表作となり、さらに日本のC&Wのスタンダード・ナンバーとして今も歌い継がれるようになった。

そのうえでの「また」なのである。

歌詞は自然に生まれてきた。


彼女は1974年にデビューした。

その歌唱力はC&W界のドン、グレン・キャンベルに絶讃され、来日日本公演のゲストに呼ばれデュエット。

1975年には毎年恒例のテネシー州ナッシュビルで開催されるC&W界最大の祭典〈グランド・オール・オーブリー〉に日本代表として初出演。この祭典でオリジナル・ソングを歌いたいという彼女の意向をうけて、『お前とナッシュビル』を作詞した。

その後、カントリーの女王、ドリー・バートンにも才能を認められ、彼女の代表曲『ジョリーン』をカバー……

C&W界で歌いつづけ、37年。

その宮前さんとまたいっしょに歌をつくることになろうとは。


歌詞を渡した日の夜、彼女はギターを抱え夜明けまでメロディーをつけ歌い、そして翌日電話をくれた。

「なぜか、涙がとまらなくなってしまいました」

「亡くなった友だちのことを書いたんです」


サビのフレーズに、魂をこめた。


西の空に 稲妻ひとつ

1年がたった 1年が


夏の盛りに彼女から「ナッシュビルで録音してきます」と連絡が入った。

9月の初め、「素晴らしい曲にできあがりました」と報告があり、自宅にCD( 白盤)が届いた。

聴いて、ヴォーカルとサウンドの余りにすごい表現力に魂が震えた。

翌日、彼女にfaxを送った。


宮前様

CD聴きました。

深く豊かな、まるでTHE BANDの奏でるようなサウンド!

そこに宮前さんの声が“人”を浮かびあがらせ、くりかえされる「西の空に稲妻ひとつ 1年がたった」がドラマチックな感情を喚起させる。

たったこの2フレーズに、すべてを語り尽くす歌唱力は、鬼気迫るものがある。

何か、ものすごい感情が表現されている。声と音の力。

もうすでに30回は聴いています。

何度聴いても、聴く度に純粋さに身も心もゆだね、浄化される想いです。

素晴らしい体験をさせていただき、心から感謝しています。

森永


10月から、毎週月曜日の深夜(12:30から)彼女がパーソナリティーのラジオ番組『ミッドナイトカウボーイ』のエンディング・テーマ曲に決まったという話だ。

ラジオ局はラジオ日本。

尚、『稲妻ひとつ』は彼女のニュー・アルバム『YUKI/WHITE LIGHTNING』(10月5日発売)に収録されている。


http://www.miyamaeyuki.com






「稲妻ひとつ」



おまえの好きだった
メーカーズマーク
ワンフィンガーからはじめて
勢いづいて
調子つかめず 沈没した

くよくよしたって
Have a good chance
夜があけりゃ 雨もあがるさ
Have a good chance
生命があれば 今夜も


おまえとふたりで
賭けたっけな
長くて古いカウンター
指をはわせて
150もの木目を数えた

貸し借りなしの
Have a good life
心から俺とおまえに
Have a good life
グラスぶつけた あの夜


おまえの名を呼ぶ
声もなく
今夜もあのロードサイドバーは ネオンをともし
おまえがくるのを 待っている

何処へ行ったのか
Have a good trip
西の空に稲妻ひとつ
Have a good trip
1年がたった 1年が


西の空に稲妻ひとつ
Have a good trip
1年がたった 1年が
(くりかえし)