布袋寅泰、吉川晃司のCOMPLEX再結成のニュースがメディアをにぎわしている。

COMPLEXが結成されたのは、1992年だったか。

HOTEIはBOOWY解散後、他のメンバーよりも早く、1990年ソロ・デビューを果たす。

初めてのソロ・アルバムはロンドンのアビーロード・スタジオで録音された。

プロデューサーが友人だった。

プロジェクトに参加してくれと誘われて、レコーディング中のロンドンへ飛んだ。

アビーロード・スタジオで初めてHOTEIに会った。

そこには吉川晃司もいた。

92年には、COMPLEXとしてふたりは動きはじめていた。

「月と太陽の悪企み」というフレーズを思いつき、相談をうけたEMIのディレクターに、彼らにそのフレーズ、どうかなというと、「それだ。それでいきましょう」と、方向が決まった。

COMPLEXのアルバムはカリブ海のモンセラット島のスタジオで録音された。そこはジョージ・マーチンの所有するスタジオだった。

彼らは海賊のようだった。

彼らは海賊のように、1990年代の混迷的世界をのし歩いていた。

そんな彼らと行動を共にした。

ツアー・パンフを制作した。

立花ハジメがイメージ・シンボルをCGで制作した。

何人ものアーティストが手がけるアート色のつよいポートレイトと、曲からインスパイアされて書いてもらったショート・ショートで構成した。

巻頭ではふたりにインタビューした。

吉川晃司はいう。

「俺らの時代よりも、いまの10代の方がもっと不幸な時代に育ってると思うし。なんか、冷めなきゃ生きていけないし、でも、冷めたくはないって気持もわかる。だから、いまレコードが売れないで、ライブが入るっていうのは、みんないてもたってもいられない気持ちになって、行っちゃうみたいな」

そうだろうね。

「でも、胸にくるものがなかったりすると、ディスコに行ってる気分で、何でもいいから騒いじゃえ、みたいな現状はあると思う。で、ステージの上から「踊らされるなよー！！」って叫ぶと、「イエーッ！！」って応えるけど、踊らされてるのは、お前だ、みたいなね」

COMPLEXとはカンケーないけど、映画『レディジョーカー』で見せた吉川晃司（刑事役）の演技は衝撃的だった。

また彼らはこの時代にCOMPLEXという海賊旗を放射能の風の吹く空にひるがえすんだな。

ホントに、彼らはカッコいいよ。