プロフィール★森永博志 (もりなが ひろし)
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仕事でいろんな男たちと旅をした。年代は関係なく思いつくままあげてみる。
まずは泉谷しげるとL.A。井上陽水と三宅島、名古屋の中村遊郭。矢沢永吉と箱根。布袋寅泰とロンドン、アムステルダム、スイス、サンフランシスコ他。花田裕之とロンドン、ネヴァダ他。
渡辺和博と中国、エジプト。荒俣宏とロンドン、ミクロネシア、タヒチ。近藤等則とハワイ。ユキリョウイチと御蔵、台北。ムッシュかまやつと山代。
江口洋介と中国。新井浩文と韓国。エドワード鈴木とアフリカ、カリブ。山川惣治と四国、沖縄、竹富島。植田正治と八丈島、竹富島。吉田カツとカリブ。
田名網敬一と香港、京都、ドイツ。大竹伸朗とバリ。久保田二郎と香港、中国、タイ、ニューヨーク。伊武雅刀とバリ。福山雅治と鳥取。吉田玲雄とシルクロード。ファンタスティックプラスチックマシーンと北京。幅允孝と北京。ミー・カンパニーと八丈島……。
アーティストとの旅は刺激的だ。
いっしょに旅をして雑誌の特集や単行本や作品をつくった。
旅してつくった最近の出版物は当然、田名網敬一+森永博志『幻覚より奇なり』。
いまでも好きなのは大竹伸朗とバリに行ってつくった『BRUTUS』の島特集。大竹伸朗がある有名ギャラリーと契約上のことでもめ、創作活動が暗礁にのりあげてしまった。美術業界での活動が不可能なら、雑誌で作品を発表すればいいのではないかと、『BRUTUS 』の島特集でいっしょにバリに行き、彼が作品を制作した。
表紙から中の特集ページに彼の新作が発表された。表紙を飾った作品がウィリアム・バロウズの本国での単行本のカバーに使われた。そんなこともあって、大竹伸朗とのバリの旅とこの『BRUTUS』には特に想い入れがある。1986年のことだ。
この号の編集後記も大竹君が書いていた。
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バリ島に行くという話があったとき、最初に思ったのは、まず、それらしいことはいっさいやりたくないということだった。ガムラン音楽を聴いてバリの絵を描くというようなことならば、東京にいたままで情報収集をやって、いかにも行ってきたかの如く見せる方がまだ面白いと思ったのだ。
そんなことより、神々の国バリ島の横丁に落ちているであろうマルボロのパッケージやバリのキャンデーの包み紙の方が自分にとっては、よりリアルであり興味があった。
10日間の滞在中、僕は浜辺で路地で、ゴミを拾いまくった。ホテルのフロントには手に入るすべての現地新聞・雑誌を集めてもらった。ところが、ホテル側は余計なものまで集めてくれたのである。
入国管理事務所の調査官である。
「インドネシアの情報収集をしているお前は、スパイに違いない」というのである。結局2日間取調べを受けるハメになってしまったが、没収品の中のゴムゾウリのかけらに免じて、バリゴミ神が許してくれたのか、晴れて日本の土を踏むことができた。
いろんな切り口のバリがあるに違いない。どこでも同じだろうが特にバリ島というところは行って感じる以外手はない。僕は断然掃除と芸術を兼ね備えた「バリ10日間夢のゴミ・ツアー」をお薦めする次第である。
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また「劇画の神様」山川惣治と「写真の神様」植田正治のおふた方といっしょに行った竹富島の旅も忘れられない。もうおふたりは故人となってしまったが、このときの旅の物語は拙著『アイランドトリップ・ノート』に収録した。
いまや超人気者となった幅允孝とは2007年春、北京に行き、『BRUTUS』の特集『北京的二〇〇七』をつくった。
取材を終えた日の夜、北京の遊び友だちのSに招待され、超高級カラオケクラブに行きドンチャン騒ぎをした。
翌朝ふたりともひどい宿酔い。空港へ向かう車の中で吐き気におそわれる始末。
「いま対談したら、すごく面白いでしょうネ」
と幅君はいった。
いっしょに旅をして愉しかったと想える人は創作面でもすごい人が多い。